庄内余目病院のブログ

褥瘡予防勉強会を開催

教育・研修

新入職員を対象に、褥瘡予防勉強会をおこないました。

褥瘡(じょくそう)とは、「床ずれ」という言葉のほうが、なじみがあるという人が多いかもしれません。褥瘡ができやすい原因は、長時間の圧迫やズレ、痩せや拘縮、不潔・ムレ、低栄養などがあります。すぐに現場で活用できるように、研修は実践形式で行い、患者体験を通じて安楽で安全なケアを実感してもらいました。

研修内容は、ポジショニング、おむつの当て方、テープやフィルムの貼り方・剥がし方です。

ポジショニングとは、運動機能障害を有する者に、クッションなどを活用して、目的に適した姿勢を安全で快適に保持することをいいます。褥瘡予防に30度側臥位は有用ですが、必ずしも安楽な姿勢ではありません。除圧用ピローをどこに・どのように入れるかがポイントになります。また身体のねじれがあると、筋緊張が起こり拘縮の原因なるので、顔の向きと身体の向きを同じにしていきます。ベッドの上げ下げは、背中からお尻にかけて大きな圧迫とズレが発生して、違和感や痛みを伴います。そこで、皮膚表面の圧迫とズレを解消するために圧抜きが必要になります。

おむつの当て方では、おむつの選択基準と特徴・取り扱い方を含めて、実際に着用しました。おむつは、高分子吸収体が排泄物を吸収し膨張することで、後戻りしない特徴があります。おむつを振って開くと、ポリマーがよれて吸収力が低下します。優しく開き、立体ギャザーを立て、排泄口にフィットさせると、漏れを防ぐことが出来ます。また、股関節の動きを妨げず、活動性の低下を防止できます。

テープやフィルムの貼り方・剥がし方は、皮膚への影響と正しい手順方法を実践しました。貼る時の圧迫や引っ張りの強さ、剥がすときの粘着力や刺激で、皮膚は容易に傷つきます。皮膚を健康的に保つために、優しく取り扱い、スキンケアを行うことが大事です。

 研修生は、どの体験も退屈することなく真剣でした。患者体験中、「えっ!全然違う。超楽。」「違和感が全く違う!」と反応が良く、ケアの大切さを身に染みて、現場に戻りました。

当院には創傷ケアセンターがあります。傷で困っている方々に寄り添い、治癒に向け、一緒にケアを実践しています。自分たちが傷をつくることがないよう、今後もケアの向上に取り組んでいきます。

皮膚・排泄ケア認定看護師  富樫弘美

 

 

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