診療内容
当科では腹腔鏡手術から高難易度手術まで、多彩な症例の手術を実施しております。腹腔鏡手術においては、虫垂切除術、ヘルニア修復術(鼡径、大腿、閉鎖孔、食道裂孔等)、胆嚢摘出術から胃切除術、大腸切除術まで可能な限り腹腔鏡手術を第一選択として実施してきました。これにより術後在院日数は開腹手術に比べ減少し、数多くの症例で早期の社会復帰に貢献できたと思われます。また、内視鏡のマネジメントも外科で行っております。それにより、診断から治療まで一貫して患者さんを担当することが出来ます。
今後もさらに腹腔鏡手術に力を入れ、患者さん主体の医療、丁寧な診療を心掛け、発展させていきたいと考えております。
《主な腹腔鏡下手術》
- 胃がん、胃腫瘍に対する腹腔鏡下胃切除術
- 大腸がん、大腸腫瘍に対する腹腔鏡補助下大腸切除術
- 胆のう結石症、胆のう炎に対する腹腔鏡下胆のう摘出術
- ヘルニア(鼡径、大腿、閉鎖孔、食道裂孔等)に対する腹腔鏡下ヘルニア修復術
- 虫垂炎に対する腹腔鏡下虫垂切除術
- 直腸脱に対する腹腔鏡下直腸固定術
≪主な内視鏡的治療≫
- 早期食道がん、早期胃がん、早期大腸がんに対する内視鏡的粘膜切除術/粘膜下層剥離術
- 出血性胃潰瘍、十二指腸潰瘍に対する内視鏡的止血術
- 食道静脈瘤結紮術
- 食道、胃・十二指腸、大腸ステント留置術
- 胆石症に対するERCP(内視鏡的逆行性膵胆管造影検査)、EST(乳頭切開)、ERBD(逆行性胆管ドレナージ)、ENBD(経鼻胆管ドレナージ)
特に力を入れている治療
腹腔鏡下ヘルニア根治術について
下腹部と臍部よりポートを3か所挿入して手術を施行します。ポートから腹腔鏡を腹腔内に挿入し、ヘルニア門を同定します。そのうえでヘルニア門をメッシュと呼ばれるシートで補強します。従来の開腹手術は、やかんに空いた穴に対して、外から穴をふさぐようなものでしたが、腹腔鏡手術は内側から穴をふさいで修復するものですので、極めて理にかなった手術法です。
1980年代に行われ始めた手術法で、日本でも徐々に増加してきており、当院でも2015年度から導入して積極的に手術施行しております。
▼手術の流れ(例:右内鼠径ヘルニア) Right side
Right side, direct hrenia (JHS:typeⅡ-3)
≪腹腔鏡手術の利点≫
- ヘルニアの場所と大きさの診断が確実にできる
腹腔内より直接ヘルニア門の確認ができるため、診断が確実です。
また、反対の鼠径部を確認することができるため、例えば反対側に小さなヘルニアを認める場合には、同時に手術することも可能です。 - 別のヘルニアも同時に治療
鼠径部には鼠径ヘルニア以外にも大腿ヘルニアといった他のヘルニアも発生することもあり、それらを含めて補強することができます。 - 術後の創部、痛みを最小限に
創が小さいため、術後の痛みが少ないです。
従来の開腹手術では5㎝程度でしたが、ポートの傷は5㎜のため、ほとんど目立ちません。 - 入院期間の短縮
術後は早ければ翌日に退院できます。
NCDデータベース事業への参加について
当院では一般社団法人NCDが運営するデータベース事業へ参加しています
当院では、医療の質向上のため、一般社団法人NCD(National Clinical Database)が運営するデータベース事業へ外科関連の手術情報の登録を行っています。一般社団法人NCD(National Clinical Database)の詳細は、下記資料をご確認ください。
患者さんへ 専門医制度と連携したデータベース事業について
なお、ご不明な点がありましたら、当院 診療情報管理室までご連絡ください。