脊椎圧迫骨折

せぼねの圧迫骨折の原因について

骨粗しょう症などによって、骨がもろくなると身体の重みを支えきれず、背骨(脊椎)の椎体部分が変形・骨折することがあります。圧迫骨折は日常のちょっとした動作で生じ、腰や背中に強い痛みが起こります。これまではコルセットや内服薬による保存的療法が行われることが多く、長時間の安静を余儀なくされていました。

高齢者に優しい、BKP治療法とは

骨折によってつぶれた骨の内部を膨らませ、そこに医療用セメント(骨セメント)を注入して“骨を修復する”治療法がBKP(バルーン・カイフォプラスティ)です。1990年代にアメリカで開発された新しい治療法で、全国的にもこの治療法を行える施設はまだまだ少ないのが実情です。

手術は全身麻酔で、専用の注射針を背中に刺してバルーン(風船)でつぶれた骨を元に戻し、その後セメントを注入します。大きな傷は残らず、一週間以内に退院できます。特に高齢者の方に優しい手術となっています。

治療による効果

この治療は圧迫骨折による痛みを改善し、また後弯変形(こうわんへんけい、猫背のこと)を改善して背骨をより正常な配列に近づけるため、次の効果が期待されます。

  1. 痛みによる日常生活動作困難、睡眠障害・うつ状態の改善
  2. 新たな脊椎圧迫骨折の予防
  3. 腹部臓器の圧迫による食欲不振、逆流性食道炎の改善
  4. 肺の圧迫による呼吸機能障害の改善
  5. バランス感覚低下による転倒の予防
  6. 寝たきりの予防や死亡率の改善

治療対象者

本治療の対象者は、手術以外の保存的療法(体を傷つけない治療法)によっても背中の痛みが改善されない方です。骨折した骨の数や形、全身状態によっては対象とならない患者さんもおられます。詳しくは担当医までご相談ください。

治療イメージ